精神障害者です。一人暮らしをしたいです。生活保護ってどうなの?

精神障害者です。一人暮らしをしたいです。生活保護ってどうなの?

実家暮らしだった精神障害者が生活保護を通じて一人暮らしをしてみた体験談。メリットやデメリット、注意点などを紹介。

実家は楽だけど、家族の目が気になる問題

精神障害者は、ほぼ実家暮らしです。

一人暮らしで病気療養している人は珍しい部類で、親御さんと暮らしている人が多いでしょう。

しかし、月日が経つにつれて、親など家族からの「自立してほしい」圧力を感じ、家に居づらくなる人も大勢います。

そこで考えるのが「一人暮らしをしよう!」です。

ところが、障がいを持っているがゆえに満足に働けず、経済的自立ができません。ですから、「じゃあ、生活保護を受けながら一人暮らしをするというのはどうだろうか?」と思い至るわけです。

生活保護が受けられる条件

我が国では、ご存知の通り、親族が生活困窮者に対して援助するのが望ましいとされており、役所より親族へ「生活保護の申し立てがありましたが、援助できませんか?」という通知がいきます。

そう考えると、両親が高齢で年金だけではあなたを養えないというようなケースや家庭内暴力で苦しんでいるというようなケースでない限り、(実務上)生活保護は受けられません。

「家にいても息苦しいから生活保護を受けて一人暮らしをしたい」という要望は聞き入れられないのです。これが実情です。

ですから、まずはこの条件をクリアすることが必要です。

役所の水際作戦を突破せよ

私が役所へ生活保護の申請をするべきか弁護士さんと相談していた頃、こんな話を聞きました。

「この自治体は大丈夫ですけど、あの自治体とあの自治体は厳しいんですよね…。すぐに追い返されて…」

生活保護の要件を満たしているのに、窓口で追い返す自治体があるというのです。

ちょうど、役所の水際作戦が報道され始めた頃だったでしょうか…。

当時、にわかには信じがたい事実でした。

「お役所は統一されたルールに則って、事務的に手続きを進めるところじゃなかったの…??」

お役所は社会的弱者に対して、そんな理不尽な対応はしないだろうという頭があったのです。

私の場合はなんとか滞りなく申請できましたが、これは自治体や担当者によって温度差があるようです。

ですので、申請するにあたり、「障害で働けない」「親族からの援助も無理」という点をきっぱりと主張しなければいけません。

理路整然と話してください。必要以上に低姿勢になるのは百害あって一利なしです。

こっちは命がかかっているのですから、申請する際は堂々としていてください。

また、通帳や障害者手帳、障害年金などの書類も併せて持っていくといいでしょう。

障害者加算額や収入額の把握がスムーズになり、話が進んでいきます。

それから、申請する時だけではなく、役所へ行くときは実印を必ず持って行ってください。

なにかと捺印を求められますし、シャチハタは不可のケースが多いですので。

そもそも生活保護を受けるってどんな感じ?

さて、晴れて(?)受給者になったとしても、それでバラ色ではありません。

色々とデメリットもあるのです。

例えば、世間の目やケースワーカーの態度、定期的な家庭訪問や気軽に病院へ行けない煩雑さなどです。

受給者は「自由な囚人」である

まず、世間の目についてですが、私の受給中に、かの有名な「生活保護バッシング」が起こり、世論が厳しくなりました。

まるで生活保護受給者が財政を圧迫する社会的悪で、不正受給が横行しているかのような報道がされ続けました。

支給日に並ぶ、なんの罪もない受給者を撮影して「生活保護の闇に迫る」などと報道されたりもしました。

こんな放送をされたら、まるで生活保護受給者は非人間的な社会的落伍者で、裏では不正を働いているような印象を持たれてしまいます。

恐ろしくて、部屋に閉じこもったことを今でも覚えています。

あの時の加熱さは異常でした。悪人扱いされ、受給者である自分が人間のクズのような感覚に陥ったものです。

今は緩和されているでしょうが、しかし小田原市のジャンパー問題でも分かる通り、生活保護受給者を叩く風潮はまだ残っています。

あの事件は、所在不明で支給が停止された受給者が怒ってカッターナイフで切りつけたことを発端に、不正受給に立ち向かう趣旨の文言が記されたジャンパーを職員が日常的に着用していた問題です。

事件の経緯上、不正受給がきっかけではないにもかかわらず、「不正受給を許さないという気持ちを表すためだった」「士気を上げるためだった」と小田原市は言い訳をしています。また、あのジャンパーを着ていけば、受給者であることが周囲に知られてしまい、保護を受けていることをわからないように配慮するという業務上の常識をもわきまえていないという問題点もあり、他の自治体の職員が呆れていましたが、そんな、どう考えても小田原市の職員が全面的に悪い案件であるにもかかわらず、市に対しては「不正受給のために職員頑張れ」という趣旨の意見が多く寄せられたそうです。

ちょっと考えれば、同市の言い分の矛盾に気づくはずですが、これが現状です。叩きたいのです。

そして、世間の目が気になるのを象徴するように、同市の受給者からの意見は一切なかったそうです。

これは、全員無関心だったからではありません。

怖くて声をあげられないのです。

それだけ、生活保護受給者への社会的圧力はあります。

私は、受給者はまるで「自由な囚人」だなと思いました。

自由に行動できるけど、監視されている…。仮釈放中の受刑者と言えばいいでしょうか?そんな感じです。

ケースワーカーの態度に困る

次に、ケースワーカー(市の職員等)の態度や言動にも困らされました。

まず前提として、全員モチベーションが低いです。

これは、役所の中で生活保護の部署は不人気だからです。

イヤイヤ仕事をしている人が多いのです。

さらに、福祉の専門知識を持っていないので、精神障害で働けないにもかかわらず就労の圧力をかけてきたり、症状が悪化するような無神経な言動をされたりと、嫌な思いも散々しました。

さらにいえば、担当者によって言ってることが違ったりするなど、ほとんどの人がプロ意識がありません。

もし幸運に、素晴らしいケースワーカーに出会えたとしても、永続的ではないため、しばらくすると担当者が変わってしまいます。

そして、このようなケースワーカーが突然、家を訪ねてきます。

憂鬱以外の何物でもありません。

気軽に病院に行けません

病気になったからすぐに病院に行く。受給中はこんな当たり前のこともはばかられます。

と、いうのも、受診する医療機関を聞いた上で書類を発行しなければならないからです。

これが原則です。まず役所に行って、書類を受け取り、病院の窓口で「保険証は?」と聞かれるので、「生活保護を受けています。これをお願いします」と言って書類を渡します。

この時の恥ずかしさと言ったら…。ただでさえ世間の目が気になるのに、こういうやりとりをいちいちしなければいけません。

必然的に、受給者は気軽に新しい病院へ行けなくなります。

そりゃそうですよ。こんな制度運用じゃね…。

生活保護のメリット

散々、デメリットを述べたので、恐ろしくなった人もいるかもしれませんが、もちろんメリットもあります。

障害者の場合は、窓口での給付ではなく口座振り込みにしてくれるケースもあります。

そうなると、本当に楽です。助かります。

また、障害者の場合は、等級に応じて保護費が加算されますので、普通の受給者よりも多くもらえます。

これも大変ありがたい!

もし、生活保護制度がなかったら、私はすでに死んでいたと思います。

そう考えると、本当に生活保護制度が存在することに感謝しています。

ですが、運用面や社会情勢を考えると…。いたたまれない気持ちになってくるのです。

生活保護制度には、こういったメリットとデメリットがあるので、その点を踏まえた上で申請を検討してみてください。

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